初任給で推しCPのオーダーリングをつくったときのはなし

 

 

7年とちょっとくらい前から愛しているCPがある。

私はそのCPのいる原作に命を救われた。

何言ってんだ?って感じだと思うが、命を救われたのだ。

 

同人女のこういう話死ぬほど知りたくないと思うけどブログだから話す。

簡単に言うと失恋したのでまぢ病み⚡️鬱⚡️タヒにてえ⚡️と思っていた。

私はそれまで割と陽キャで、そんな風に思ったことはあんまりなかった(と思う)

でも、当人や周りの友人の私への言葉や行動にすごく傷ついてしまい

毎日その夢を見て起きたら泣いていた。

それが辛くて仕方なかったのだが、ある日書店でその作品を手に取った。

信じられないほど面白くて信じられないほどハマった。

ざらざらした紙の上で、単行本のちいさな四角の中で、

キャラクターが明らかに生きていた。

ウワーーーーー死んでる場合じゃねえわーーーーーーーーと

心底思った。

今までも大好きな作品はあったけれど、

この作品に関しては、

私もなんか、この、なんか、なんかしなきゃ!!!もっと生きなきゃ!と

思わされた。

そして次第に、好きなCPができた。(ゴリゴリの腐女子なので)

そのCPにめろめろになった。

一年くらいたつと、もう悪夢は見なくなっていた。

(新刊買えなかったらどうしようみたいな悪夢は見た)

 

そのCPのふたりは、当時の私よりだいぶ年上だった。

ふたりの同人誌などを描きながら、ふたりが大人のお兄さんすぎて

これじゃこどもっぽすぎるかなあ、でもこういうステレオタイプな大人じゃないし

とめちゃめちゃ悩んだ。

経験したことのない年齢をかくのって難しいと思うんですよね。

 

そんでも読む方ならば圧倒的『わかり』の連続だった。

信じられないほど同人誌を買った。(ありがたいことに信じられないほどたくさんの同人誌があった)

当時まだ「尊い」という言葉はそれほど流行っていなかったが

もう尊いの大海原だった。

 

同人誌ではそのふたりが恋仲にあったりなんかするわけだが、

その関係の名は、主従であったり幼馴染であったり、家族であったり、

いろいろだと思った。

CPに対する考え方はもちろん人それぞれ違うが、

私はそのふたりのなんとも形容しがたい、

けれどもそこにすごくどっしりある関係に恋をした。

こんな大人になりたいと思った。

そしてそのふたりが、周りの人々も含めて築いているどっしりな関係を、

築けるような人間になりたいと思った。

それぞれがそれぞれの信念で生きていて

結構にちぐはぐなふたりだけど、側にいることに全く違和感がない。

そういう関係は多分全然別の世界にいったって、

離れ離れになったって変わらない。

なんかすげー人とすげー人のCPってすげーーーーー

このCPを愛するのに恥ずかしくない人間になろう!と思った。

 

まあでも、そう思ったからといって人間は簡単には変わらないので

私は日々だるだるぐうたら同人誌を読んだり描いたりしながら大学生を過ごしていた。

たまに自CPに学ぶギラギラした気持ちを思い出してがんばることはあったが

基本ぐうたらしていた。

 

そんな大学生は卒業後会社に就職した。

(やっと本題)

夕方の16時に起きて朝7時に寝ていたような人間が、

授業などは9割寝ていた人間が、

締め切り前二徹でなんとかするみたいな人間が、

はたらけるのか?というのは純粋に疑問だった。

まぁ一ヶ月目はお試し期間のようなもので同人誌を

描いたりもできた。が、やっぱりだんだん忙しくなり

後ろの席にいた方は残業200時間とか働いていた。

そのうち私も…ふむ…となんとなく未来を想像しているとき

初任給なるものをもらった。

それはやっぱりちょっと嬉しいものだった。

 

初任給もらったんだーと伝えたいのは誰か、と考えたとき

推しCPふたりの顔が浮かんだ。

 

あ、指輪作ろう。

 

なぜかポンとそう思ったときには予約もせずにお店に向かっていた。

『初任給で』というには完全に自分のための行為だし

その感謝しているふたりにはなんの利益もないが

初任給だからこそ、自分のために使いたいなと思った。

 

シンプルなゴールドのリングにした。

内側にふたりのイメージカラーの石をひとつずつ

その隣にふたりのイニシャルを入れた。

ネットで指ごとの意味なんかを調べて

中指に合うサイズにした。

 

打ち合わせの途中、なんのイニシャルなんですか?

とか聞かれながら誤魔化していたのだが

最後の最後デザイナーさんに

「実は好きなキャラクターふたりのイメージなんです・・・」

と漏らしてしまった。

だから打ち合わせの途中で出た、

石のサイズに大小をつけるなどのデザインの提案を断ったのだと。

するとデザイナーさんは

「すっごく素敵ですね!じゃあ石はできるだけふたつが近くなるように職人さんにお願いしますね」

と言ってくれた。

私も好きなキャラのイメージのアクセサリーつくったことあるんです。と

 

14Kだし、石は予算と在庫の関係でダイヤを諦めて違う石にした。

それでも家賃と親へのプレゼントと生活費を合わせれば手取りを全然

超えてしまって、果たして初任給で買ったといえるのか…とも思ったが

初任給で買ったんだと思う!

 

もう何年も前のはなしだけど

今このときも、その指輪は右手の中指にある。

毎日、タイピングしてる自分の手に指輪が嵌っていることが

心底安心する。

 

イデアが出なくて朝まで泣きながら仕事してるようなときは

指輪にパワーをもらう。

 

初任給でふたりを想ってつくった指輪を買ったという

思い出が、すごく

生きる力になる。

 

なので自分のために使わせてもらってよかったなあと思う。

 

 

 

もちろんその原作には公式のものを買ったり

ファンレターを送ったりでちょっとずつ感謝を返している(つもり)。

そう、そしてその作者様の新連載がまた始まるのだ。

ぜったい最高に激アツな漫画のはずだ。

これから読んできます。へへ。